ゲストハウスとバー
最近開業したゲストハウスを見ていると、バー・カフェ付きが本当に多い。
最近ちょっとだけ開業のお手伝いしたところもバーが付いていて、とにかくおしゃれ。ホームページなんかを見ても、「わぁ!行ってみたい!」と誰もが思ってしまうデザインなんだけど、ちょっとあまりにもブームが過熱しすぎてて、正直冷めた目で見てしまっている。
バー付きゲストハウスのメリットっていうと、
【メリット】
- 地元の人と宿泊者の交流が生まれる
これが一番のメリットととらえて運営してるところが多いような気がする。新規オープンの謳い文句になっていたりする。
普通のゲストハウスだと宿泊者のみしか入れない。つまり宿泊者+スタッフのつながりのみ。それってどうなの?ってこと。
ゲストハウスに、旅行者と地元を結びつけるつなぎ役としての可能性を感じてる人も多い。それがきっかけで移住する人、そんな話もたまに聞く。
- 収入を増やせる
確かに宿泊料だけでは収入なんて限られる。
ドミトリー1泊3000円だとして、20ベッドあって稼働率半分だとして×10で3万円。ここから維持運営費引くと…あんまり残らない。(経営者じゃないので実態はわかりませんが。)
収入が増えればその分スタッフ人数も増やせる。
でももちろんメリットだけじゃないわけで、あくまで個人的に感じていることだけど、デメリットを挙げてみると。
【デメリット】
- 宿泊客がバーと共有リビングで分かれてしまう
バーとリビングが一緒になっているところもあるけれど、多くは別になっていると思う。
リビングでゆっくり宿を楽しみたい人にはさびしい宿になってしまうかも。リビングにスタッフさんはいないだろうし。
- 「バー」=「追加料金を払わないと居づらい」
いつも感じる。まあ飲み物代払えばいいんだけどね。
でもゲストハウスのお客さんって基本そんなにお金使う旅行してない気がする。そもそもお酒飲めない・飲みたくない人も入りづらい。
- バー客の方が利用頻度が高いので、バー客のみでコミュニティができてしまう
これもいつも感じる。結局バーにいるお客さんってだいたい宿泊客ではない気がする。傍から見ると宿泊客が追いやられているようにも感じてしまう。突然来た宿泊客にとって、既存のもうすでにあるコミュニティに飛び込むのってハードルが高いんですよ。スタッフさんの助けがあれば別だけど。
- そもそも、バーにお客が満足に入るとは限らない 特に平日
これも結構ありました。ゲストハウスのバーって結構安めでお客さん入りそうなもんなんだけど、なぜかお客が入ってないところ多いんですよね…。
- その日のスタッフさん次第の宿になりがち
バーに限った話じゃないけれど、スタッフが多くなればなるほど、その日のスタッフさんによってゲストハウスの印象が180度違ってしまう。バー付きだとスタッフ数が多く、入れ替わりが激しい気がする。
と、いう感じで確かにメリットも大きいんだけど、デメリットの方が大きい気がしてしまう私。そもそも、バーをつければ自動的に地元と旅行者の交流が生まれるというのはちょっと安易な考えのような気もする。
バーもいいけれど、個人的には是非それ以外の方法でゲストと地元の人とつなげる努力をしてほしいなと思う。良いなと思ったゲストハウスの取り組みって結構あって、
取り組み
- 郡上八幡のまちやど シェアメイト会員
宿泊者以外も利用できる会員制度。会員が存在するのかは知らないけど。僕が泊まりに行ったときには残念ながらいなかった。
- 松本のカンデラゲストハウス 糀の金曜日
ほぼ毎週金曜日開催の一品持ち寄り夕食会。
- 高山のゲストハウスとまる ひだマンデー
月一回、地元の人も入れる夕食会。
- 長野の1166バックパッカーズ みんなで朝ご飯
月一回、地元の人も入れる朝食会
他にもイングリッシュナイト(英会話イベント)やってるところもちらほら。バー付きのところでもバー関係なしのワークショップをやっていたり。不定期開催ならば結構ある。
何にしても、ただ単にバーもやってますじゃなくて何か工夫して、旅行者と地元をつなぐことが今後求められるんじゃないかなぁと思う最近。大々的なイベントじゃなくてその日たまたま宿泊した旅行者も参加できるやつね。そんな新しい切り口の宿ができてほしいなと期待してる!